気まぐれヒーロー




とんでも質問をぶつけてきた彼の声が、何となく拗ねているように思えるのは……気のせい?


私はちょっと時間をもらって、考え込んでしまった。


犬……誰の犬……。
私は犬……なんで、犬になったんだろう……。


タイガの犬なわけがない。
それなら、残るは一人だけ。




「ジローさん、です……」




なんだかすんなりと、答えてしまっていた。


当たり前のように聞いてくるジローさんに、あっさり犬を肯定してしまった。




「だったらトラになついてんじゃねえよ、じゃれてんじゃねえよ」




低い声で恐い顔しても、言ってることは……ジローさんだった。


なんてことない、私に見せてくれるジローさんの“顔”だった。




「お前より俺の方がせくし~でサイコーなご主人様なんだから、当然だよな~」




拗ねちゃったジローさんを意地悪くタイガが煽るもんだから、その表情は変わらなくとも不機嫌オーラが濃くなったのが私には手に取るようにわかった。


ジローさんの目が……目が、怖すぎる……!!




「ち、違いますよジローさん!!私、タイガになんかなついてないしじゃれてないし、犬でもないし、えっちだからイヤだし、変態だしキンパツだし……」




誤解を解こうとテンパる私の横で、「お前夜道に気をつけろよ」とすごく意味深なタイガの発言が聞こえたけど、それより何より今はジローさんをなだめるのが先だ。





「タマ、おて」





半泣きの私に容赦なく、ジローさんは平然と命令してきた。



ええええ!!い、今ここでですかジローさん!!みんないるのに!?



あの時はまだ二人っきりだったからできたのに、ここは人が多すぎるし……むちゃくちゃ恥ずかしいんですけど……!!


しかもみんなの視線が、私に集中しちゃってるんですけど!!