気まぐれヒーロー




大魔王の眼差しに金縛りにかけられ、ごくりと唾を飲み込んだ。


「お前……」


息をするのも苦しくなってきた。
その口から一体どんな罰を命じられるのか……生きた心地がしなかった。


私……何を言い渡されるんだろう……。




パターン1


『海に沈められるか山に埋められるか、どっちか選べ』


どうせなら川に流してやってください……。どんぶらこ~っと……。

そしたらおじーさんおばーさんが拾ってくれて、ぱかっと割ってくれますから……。


「まあ、おじーさん!『桃』の中から『もも』が!」


な、なーんちゃって~……。


……ダメだ、笑えない……。


その前にジローさんに、桃ごと叩き割られるのがオチ……。





パターン2


『目玉焼きはしょう油か、ソースか。どっちだこのヤロウ』



むしろ塩派です。







私は脳内で二通りの予想を終え、力尽きた。



大魔王ジローは、恐ろしく手強かった。




「お前、」




げっそりとやつれきった私に、ついにジローさんは判決を下すようだ。


もうどんなパターンでも、どんとこいだ。
煮るなり炒めるなり、好きにしてください……。




「お前は俺の犬なのかそれともトラの犬なのか、どっちなんだよ」

「……へ?」




ジローさんの目は、とっても真剣だった。