ああ、こんなことしてる場合じゃない!!変態と遊んでる場合なんかじゃない!!
「ジローさん、小春は……私の大切な友達なんです」
タイガはほっといて、ジローさんにもう一度声をかけた。
「本当に優しい子で……私を何回も助けてくれたんです。すごくいい子なんです!!お願い、どうしても助けてほしいんです!!ジローさん!!」
頭を下げて、全力で彼に頼んだ。他にいい方法が思いつかない。
頼み込むしか、ない。
「だから?」
やっと口を開いてくれたと思ったら、残酷な一言。
顔を上げて、ようやく彼と目が合った。
次の言葉がノドまで出掛かっていたのに、それを引っ込めてしまうほどに、ジローさんの目は冷め切っていた。
ダメだ。この人は、何がなんでも動いてくれない。
私の祈りは……通じない。
これがジローさんの本当の姿、なんだ。
「……あんなぁ、言ったろ?ジローを動かしてえなら、それなりの“理由”がいる。何の“得”もねえのに、コイツがほいほい言うこと聞くわけねえだろうよ」
絶望に打ちひしがれる私に、ニィっと笑ってみせるタイガ。
“ヒントはやったぞ。後は自分で考えろ”と、私に伝えるように。
得……ジローさんにとっての、得。
………………
…………
……わかった!!そういうことなんだ。
ジローさんに助けてもらうには、ソレしかないんだよね。
なんてことない、小春のためなら。
それくらい、どうってことない……はず。
私は覚悟を決めて、ジローさんに決意の眼差しを送りつけた。


