気まぐれヒーロー




毎回思うんだけど、なんで知ってて当然みたいな言い方なんだろう。だって会ったことないんだしさ。

その人が何かスゴイことを成し遂げた、とかだったらわかるけど。


ハイジの態度にムッとしたものの、コイツはこういうヤツだと割り切っておくことにした。



ヒノ、トーヤ。



三年生、か……やっぱり知らない。
小春に言ったら、また驚かれるかな……余りの私の無知っぷりに。



「で、その飛野さんももしかして……あんた達のお仲間なの?」

「まあそんなとこ」




マジかい!!またまた新種登場なのかい!?


今度は何色なんだい。
赤、緑、金、銀はもういるし……相手は三年生だし……。


ま、まさか意表をついてレインボーだったりして!!
ありえる!三年生だったら大ボスだもんね!!


目がくらむ。なんとカラフルな、ヤンキー軍団。

でも待てよ……三年生ってことは、ジローさんやトラさんより上なのかな。


ここを仕切ってるのは、この二人じゃなかったんだろうか。


もしや影の支配者!?二人を操る黒幕だったり!?



「ちょっと待ってよ、猿山のボスはジローさんとトラさんじゃなかったの!?」



勢い余ってついつい口が滑った私は、大教室にいたヤンキーのみなさんから「誰が猿だコラ!!」と一斉にお叱りを受けた。



「ウ、ウホッ……」



その凄まじい気迫にやられ、思わずゴリラ語で謝ってしまった。もっと怒られた。


「犬がチンパンジーの真似してんじゃねえよ」とジローさんにツッコまれたけど、「ゴリラです」とは言い返す気にもなれなかった。