そこに立っていたのは真っ白な人だった。
月白、という色の方が正しいだろうか。
青みのある白色だ。
切り流しのサラサラな髪の毛も、澄んだ宝石のような瞳も。
まるで月の妖精のようだ。
だけど、そんなはずもない。
「リアト様!王子であられまするあなた様がこのような場所にいらっしゃるなんて」
「良い。構うな」
声まで綺麗なその人は、にこやかな笑顔を私に向けた。
「こんにちは。この国の王子です」
私はとりあえず会釈だけした。
「君の名前は?」
「……エレ、です」
「じゃあエレ。幽霊が見えるのは本当なんだね?」
私は小さく頷いた。
本当ならこんな力、欲しくない。
普通に暮らしたい。
学校にだって行きたいし、こんな地下牢じゃなくて陽の光を浴びて生きたい。
月白、という色の方が正しいだろうか。
青みのある白色だ。
切り流しのサラサラな髪の毛も、澄んだ宝石のような瞳も。
まるで月の妖精のようだ。
だけど、そんなはずもない。
「リアト様!王子であられまするあなた様がこのような場所にいらっしゃるなんて」
「良い。構うな」
声まで綺麗なその人は、にこやかな笑顔を私に向けた。
「こんにちは。この国の王子です」
私はとりあえず会釈だけした。
「君の名前は?」
「……エレ、です」
「じゃあエレ。幽霊が見えるのは本当なんだね?」
私は小さく頷いた。
本当ならこんな力、欲しくない。
普通に暮らしたい。
学校にだって行きたいし、こんな地下牢じゃなくて陽の光を浴びて生きたい。



