月白の初恋

そんな異端者である私は王城の地下牢に閉じ込められた。

毎日のように罵倒を浴びせられた。

食事も充分に貰えなくて、私の腕はみるみるうちに枯れ枝のように細くなった。

そんなある日のことだった。

珍しく、見張の兵士達がざわついている。

いつもなら地下牢に音が聞こえることなんてないのに。

私は檻の間からこっそり顔を覗かせた。

地下牢の入り口から光が差している。

陽の光を見るのは何年ぶりだろう?

兵士は慌てている。

しばらくして、コツコツと誰かが地下牢に入って来た。

足音はこちらに近づいて来る。

その足音は私の牢の前で止まった。