月白の初恋

「あー、やぁっと幽霊捕まえられた。
あの幽霊、色々あって研究所送りになったらしいぞ」

「そっか…服、ボロボロになっちゃったね」

「まあ負傷者が出なかっただけマシな方だよ」

馬車の中で、リアトはランタンの明かりの下でそう言う。

時刻は午前5時。

朝焼けが綺麗な日だった。

「…ごめんなさい」

「え?何が?」

「私が幽霊の言葉を信じて、リアト達の作業を邪魔した。
だから、こんなボロボロになるまで戦うことになって…」

私は申し訳なさで一杯だった。

リアトの顔は見れない。

「は?そんなことどうでも良いんだよ。
それに、今回はエレの手柄もあった。
兵士達が、防具の手入れをしてくれて助かったって言ってた。
そのおかげで朝まで続いた長期戦にも耐えられたんだ」

リアトは私の顔を両手で包み、無理矢理上げさせた。

「エレ、ありがとう」

私は、これまでの人生で見たことがない温かな笑顔を見た。