(独身って、どういうこと⋯⋯?)
頭がこんがらがる千咲は、未依が掴んでいる反対側の腕を取られてぐらりと傾いた。
「きゃっ」
「千咲、話がしたい」
未依を押しのけるようにして強引に向き合った櫂から強い眼差しを向けられ、千咲は咄嗟に頷いてしまったのだった。
櫂を待つこと一時間。彼から「もうすぐ上がりだから、待っていてほしい」と懇願され、病院の近くにあるファミリーレストランで時間を潰していた。
なかなか姿が見えないが、千咲が店に入る時に救急車のサイレンの音が聞こえたため、もしかしたら急患の対応にあたっているのかもしれない。
「紬、おいしい?」
「しーいっ」
「そっか、よかったね」



