二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~


(櫂さんを信じたい。彼となら、ずっと⋯⋯)

千咲の中にあった櫂への憧れが、じわじわと恋へ昇華していく。

快感の渦に飲み込まれそうになりながら、千咲は彼への想いを口にした。

「好きです⋯⋯」
「千咲?」
「恋を自覚したくなくて、ずっと見て見ぬふりをしてたけど⋯⋯本当は、ずっとあなたに憧れてました」

当然の千咲の告白に、櫂は言葉もなく聞き入っている。

「お願いです。私を、離さないで」

そう告げた瞬間、櫂は痛いほど強く抱きしめてくれた。