「千咲の不安はなくなった?」 こくんと頷くと、彼は「ちゃんと顔を見せて」と両手首をそっと顔から引き離す。 「じゃあこれで、なんの憂いもなく家族になれる?」 「はい」 耳まで真っ赤に染まった顔で頷くと、櫂は蕩けるような笑顔を見せた。 「板倉千咲さん。俺と、結婚してください」 「私でよければ、喜んで」 千咲もまた、満面の笑みで応えたのだった。