紬だけでなく千咲も全身を検査してもらった結果、紬は手足の軽い打撲や擦り傷のみで済んだ。脳CTにも異常はなく、やはり公園で思いっきり遊んだあとに大泣きしたせいで疲れて眠っていただけだったようだ。
紬が無事だったことに、心から安堵した。今は院内にある託児所に一時預かってもらっているらしい。
千咲の方が左手小指の骨折、左肩から腕にかけてと左脚の裂傷と重傷だった。
左手は固定され、腕は傷からの感染を防ぐために数針縫い、脚にも保護剤を貼られているため見た目はかなり痛々しいが、痛み止めを飲んだためか先ほどよりも少し楽になっている。
骨折と縫合するほどの怪我を負ったため数時間後には発熱するおそれがあると言われ、大事をとって入院することになった。
外科病棟の個室へと案内され、千咲は目を瞬かせる。
「ここ、ですか?」
広々とした絨毯張りの部屋にはソファセットやダイニングテーブル、さらに大型テレビが配置され、大きな窓からは眩しいほどの西日が差し込んで室内を照らしている。医療用ベッドがなければ病室とは思えず、まるでホテルの一室のようだ。
「須藤が手配したみたいですよ。ここならゆっくり休めるし、娘さんも一緒に泊まれますから」



