「いっ⋯⋯!」
それでも、千咲は必死に紬を守るように彼女の小さな身体を包み込む。
――ガシャ―ン!
耳を劈く轟音と痛みに、千咲は顔を顰めた。
「つむ、紬!!」
すぐに腕の中にいる紬の無事を確認する。伸ばした千咲の左腕からは真っ赤な血が流れていて、指先は折れているのか激痛が走るが、そんなことに構っていられない。
紬は激しく泣いているけれど、ざっと確認したところ、小さな擦り傷以外は目立った外傷は見られない。驚いただけだとは思いつつ、それでも安心はできなかった。
咄嗟のことで、うまく庇いきれたかわからない。万が一頭を打っていたとしたら、早く病院で診てもらわないと手遅れになってしまう。



