二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~


(その上で、海外派遣の話は改めて考えてもらえばいい。私は、彼の邪魔にだけはなりたくないとちゃんと伝えよう)

夕食を作っている間、紬にはぐっすりお昼寝をしていてもらおうと、千咲は彼女を連れて大きな交通公園へと足を伸ばした。

普段利用している遊具よりも大きな滑り台に大はしゃぎで、二時間近く身体を動かした。きっと帰宅したらすぐに眠ってしまうだろう。

「紬、そろそろ帰ろっか」
「やー」
「スーパーに寄って、お買い物しよう? 夜ご飯、ママ美味しいの作るんだよ」
「しーい?」
「そう、美味しい」

紬は公園から帰るのを嫌がる素振りを見せたが、食いしん坊ゆえに『美味しい夜ご飯』に釣られてくれたらしい。

愛らしい彼女のためにも、腕によりをかけて作らなくては。

「ほら、帰り道はちゃんと手を繋ごうね」
「ねーっ」

近頃は喃語とはいえ大人の真似をすることが多く、なんとなく会話らしいものが成り立つようになってきた。

(「ねー」って相槌みたいで可愛い。美味しいの「しーい」も意味が定着してきてるみたいだし。今日、櫂さんにも教えてあげよう)