(同じ間違いは、二度としない)
千咲は覚悟を決めて、櫂に向かい合う。
「実は⋯⋯聞きたいことがあるんです」
「ん?」
千咲の雰囲気に、真剣な話題だと感じ取ったのだろう。櫂は話を聞く体勢を作る。
「櫂さん、海外派遣の話があったって本当ですか?」
「あぁ、未依から聞いたのか」
「はい。詳しく聞いたわけじゃなくて、話の流れで少しだけ」
彼の驚いた顔を見て、少なくとも海外派遣の話は本当なのだとわかった。
「その派遣の話を、断ったって」
「うん。十日くらい前かな。行ってみてはどうかって打診があったけど、その場で断ったよ」
思いの外、あっさりと肯定された。理由を尋ねようとした瞬間、ふと昼間の未依の言葉が頭に浮かぶ。



