けれど、長年彼女を放置していた未依の夫の真意がわからない以上、離婚を引き止めたところで未依が幸せになるとは限らない。
恋愛をしてこなかったせいか、実のあるアドバイスや慰めがひとつも浮かんでこない。大切な友人の力になりたいのに、自分の不甲斐なさが嫌になる。
(役立たずだな、私⋯⋯)
なにも言えないでいると、未依が笑う。
「千咲がそんな顔しなくてもいいんだよ。離婚したって大切な幼なじみには変わりないんだから。あ、だから千咲と櫂くんの結婚式には絶対出席するからね! 私、千咲のウェディングドレス姿楽しみにしてるんだから」
自分が辛い時に、こうして千咲と櫂の幸せを願ってくれる未依こそ、幸せになってほしい。
「ありがとう。それと、私はなにがあっても未依の味方だから。ひとりで抱え込んだりしないでね」
そう伝えるだけで精一杯。けれど、未依は嬉しそうに笑って頷いてくれた。



