高校時代からいつも明るく周りを照らしてくれた未依。再会してからも、紬とふたり暮らしの千咲をなにかと気にかけて遊びに来てくれたりと、相変わらず優しくて楽しい親友だ。
そんな彼女が今日はどこか元気がないことに、千咲は気付いていた。
「私のことよりも、未依は?」
「え?」
「なんとなく、今日はいつもと違うなって思って」
話したくないのなら無理には聞かない。人には、詮索されたくない事情があるものだから。
けれど、誰かに話すことで楽になる場合もあると千咲は知っている。
それとなく未依に尋ねてみると、彼女は持っていたスプーンを置き、きゅっと唇を引き結んだ。
「⋯⋯実は、帰国するみたいなの」
誰が、とは聞かなくてもわかった。
未依の夫は、結婚当初から海外の病院で働いている。その間、日本に帰国したのは二回のみだという。



