二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~


「忙しいのに、仕事帰りにもうちに寄ってくれたりするの。身体壊さないか心配になっちゃう」
「そこは大丈夫だと思うよ。ここ数年でうちの病院も働き方改革が進んで、医師の数も増やしたし、業務の割り振りとかも見直されて長時間勤務がかなり減ったみたい」

救急医とあって急な呼び出しはあるものの、櫂が言っていた通り、基本的な休みはしっかり確保できているらしい。同じ病院で働く未依が言うのなら安心だ。

「それにしても、まさか千咲の相手が櫂くんだったなんて、まだ信じられない」
「そうだね、私も」

櫂が未依の夫の弟ということは、櫂と未依は義理の姉弟ということになる。

千咲が苦笑して頷くと、未依は申し訳なさそうに眉尻を下げた。

「なんか、ごめんね。私が変な電話しちゃったせいで、千咲を勘違いさせちゃったんだよね」
「未依のせいじゃないよ。私がきちんと確かめずに逃げたのが悪いんだから」
「でも、誤解が解けてよかった。千咲と紬ちゃんには絶対に幸せになってもらいたいもん」
「それはお互い様だよ」