二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~


そして彼は、千咲の気持ちや紬の過ごす環境を優先するけれど、いつか三人で一緒に暮らせたらと展望を口にした。

「⋯⋯本当に私でいいんですか? 数える程しかちゃんと話したことがないのに。私の方こそ、櫂さんの妻として相応しくないかもしれません」
「たしかに俺たちはお互いに知らないことも多い。でもあの夜も言ったけど、俺はずっと君に惹かれてた」

それは千咲も覚えている。自分だけでなく、櫂もまた千咲の仕事ぶりを見てくれていたのだと嬉しかった。

けれど、あの日からもう二年以上が経った。今の千咲はもう救急車を降りているし、櫂ほどの男性なら、その間に綺麗な女性との出会いもあっただろう。彼の想いをひとり占めできるほどの魅力が自分にあるとは思えない。

そんな考えが表情に出ていたのだろうか。櫂が千咲の手に自分の手を重ねた。

「あの日以降、誰かに対して特別な思いを抱いたことはない。俺にとって、愛しいと思える女性は君だけだ」

思いも寄らない告白に、千咲は息を呑む。

「あれから、ずっと⋯⋯?」
「あぁ。あれからというよりも、君に出会ってからずっと。今日一緒にいて、俺の視線や言葉にいちいち赤くなるところとか、紬と全力で遊んでる無邪気な姿とか、千咲を知るたびに惹かれてる。その想いはきっと、この先も変わらない。でも、口で言うだけだと信じられないだろう? だから、一緒に永遠の愛を探しながら生きていきたい」