櫂からのメッセージの最後に、【色々送ったけど、千咲と紬の行きたいところを教えてもらえたら嬉しい】とあったため、千咲はこの場所を提案したのだった。
ここは一歳未満の子でも楽しめるようなベビーゾーンも充実している遊び場で、ボールプールや空気で膨らませたフワフワの滑り台などのエア遊具が多く設置されている。
一歳の誕生日のお祝いにと連れてきた時は物凄いはしゃぎっぷりで、帰るのが嫌だと泣く紬を抱えて店を出たのもいい思い出だ。
「すみません、せっかく動物園とか水族館とか、色々提案していただいたのに」
動物園や水族館ならば意外と大人も一緒になって楽しめるが、ここは完全に子供のための遊び場だ。櫂は当然のように紬を優先して考えてくれるが、退屈な思いをさせてしまうかもしれない。
「いや、悪い。つい千咲と出掛けられるって思ったら、定番のデートスポットばかりに目が行ってたみたいだ」
「デ、デート、って⋯⋯」
唐突に出てきたワードに、千咲は目を瞬かせる。
「誤解がないように言っておくけど、紬のことを蔑ろにするつもりはないよ。でも、こうやって初めて一緒に出掛けるんだ。デートだって浮かれるくらい許してくれ」



