二度と恋はしないと決めたのに~フライトドクターに娘ごと愛されました~


保育園では、担任の先生に慣れて挨拶らしきものができるまで三週間はかかった。

(無理強いはしたくないけど、どうかな⋯⋯)

そんな千咲の心配通り、紬は人見知りを発揮して千咲に抱っこをせがむ。やはり見慣れない櫂に対し、少し緊張しているらしい。

「すみません。普段から少し人見知りで⋯⋯」

もしかしたら、まだ三人で出掛けるのは早かったかもしれない。そんな焦りにも似た思いが頭をよぎる。

「いや、仕方ないよ。長期戦は覚悟の上だ。それより、ずっとここに停めておくのもまずいから、そろそろ行こう」

千咲の自宅の前は駐車禁止ではないものの、道はそこまで広くはない。邪魔になるのも、近所で噂になるのも困るため、千咲は頷いて従った。

「紬はここ。千咲も後ろの方がいいか?」

彼の車の後部座席にはチャイルドシートが設置してあり、千咲は驚いて彼を見つめた。