慌てながら首回りを探るエメラの手をアディが取る。
安心させるように優しく両手で握って微笑みかける。
「大丈夫だよ。ちょっと待っててね」
アディは黒衣の胸ポケットの中から小さな黒い箱を取り出した。
その箱を開いてエメラの前に差し出された時、それの意味に気付いて目を見開く。
その箱の中には、金色の輪に青い宝石の指輪が入っていた。
婚約ペンダントの宝石が指輪に施されて、婚約指輪に変わったのだ。
「エメ姉、今まで頑張ったね。もう一人で頑張らなくていいよ。これからは一緒に頑張ろうね」
アディらしくない労いの言葉から始まる、アディらしい温かさを含んだ言葉。
何百年も一人で魔獣界を治めてきたエメラは、強く見えて本当は孤独を隠した弱く儚い女性。
そんなエメラを知っているからこそ守りたくて、アディは幼い頃からエメラをずっと愛し続けていた。
それは昔も今も、これからも変わらない、アディの永遠の誓い。
「エメラ、愛してるよ。僕と結婚しよう」
シンプルだけど、真っ直ぐなプロポーズ。
今、二度目のプロポーズを受け取ったエメラは、涙で震えながら懸命に言葉を返そうと唇を開く。
「はい。アディ様、わたくしも愛しております。ずっと、お側にいさせて下さい……」
アディは笑顔で頷くと、エメラの左手を手に取って、その薬指に指輪を嵌める。
アディをイメージさせる爽やかな青の宝石。
今まではエメラの胸元を飾っていた宝石が、今は薬指で光り輝く。
「ふふ、エメ姉はもうすぐ王妃で母親だもんね。大変だけど、よろしくね」
「はい、はい……アディ様も、魔獣王で、父親でぇ……よろし、くですぅ……」
「え、エメ姉、何言ってるの? あーもう、泣きすぎだよー!」
エメラが泣き止みそうにないので、アディは仕方なく無言で強く抱きしめた。
一人でも生きていけるほどに強いエメラが、今は素直に涙を見せて甘えてくれる。それが嬉しいし、何よりも可愛いとアディは思った。
このエメラルドの花畑は、プロポーズの場所としてアディが用意した特別なステージであった。
安心させるように優しく両手で握って微笑みかける。
「大丈夫だよ。ちょっと待っててね」
アディは黒衣の胸ポケットの中から小さな黒い箱を取り出した。
その箱を開いてエメラの前に差し出された時、それの意味に気付いて目を見開く。
その箱の中には、金色の輪に青い宝石の指輪が入っていた。
婚約ペンダントの宝石が指輪に施されて、婚約指輪に変わったのだ。
「エメ姉、今まで頑張ったね。もう一人で頑張らなくていいよ。これからは一緒に頑張ろうね」
アディらしくない労いの言葉から始まる、アディらしい温かさを含んだ言葉。
何百年も一人で魔獣界を治めてきたエメラは、強く見えて本当は孤独を隠した弱く儚い女性。
そんなエメラを知っているからこそ守りたくて、アディは幼い頃からエメラをずっと愛し続けていた。
それは昔も今も、これからも変わらない、アディの永遠の誓い。
「エメラ、愛してるよ。僕と結婚しよう」
シンプルだけど、真っ直ぐなプロポーズ。
今、二度目のプロポーズを受け取ったエメラは、涙で震えながら懸命に言葉を返そうと唇を開く。
「はい。アディ様、わたくしも愛しております。ずっと、お側にいさせて下さい……」
アディは笑顔で頷くと、エメラの左手を手に取って、その薬指に指輪を嵌める。
アディをイメージさせる爽やかな青の宝石。
今まではエメラの胸元を飾っていた宝石が、今は薬指で光り輝く。
「ふふ、エメ姉はもうすぐ王妃で母親だもんね。大変だけど、よろしくね」
「はい、はい……アディ様も、魔獣王で、父親でぇ……よろし、くですぅ……」
「え、エメ姉、何言ってるの? あーもう、泣きすぎだよー!」
エメラが泣き止みそうにないので、アディは仕方なく無言で強く抱きしめた。
一人でも生きていけるほどに強いエメラが、今は素直に涙を見せて甘えてくれる。それが嬉しいし、何よりも可愛いとアディは思った。
このエメラルドの花畑は、プロポーズの場所としてアディが用意した特別なステージであった。



