エメラの宣言通りに、アディは毎晩のように魅了の魔法をエメラに使い続けている。
悪夢は見なくなったが、エメラはその日、過去の夢を見た。
それは、まだアディが見た目3歳くらいの頃の記憶。
この頃のエメラは、今と見た目はほとんど変わらない。
「エメラお姉ちゃん、ボク、このイスに座りたい!! ボクの席にしていい?」
「ごめんなさい。これは魔獣王ディア様、アディ様のパパの椅子ですのよ」
魔獣界の玉座の間にてアディは、その煌びやかな魔獣王の玉座に座りたそうにしている。
ディアに似てイケメン男児なアディを、エメラはすでに溺愛していた。
同じ希少種の魔獣『バードッグ』であり、さらにディアの遺伝子を受け継ぐアディに心を奪われるのは当然であり運命。
アディは、キラキラした金の瞳をいっぱいに開いてエメラを見上げる。
「王様しか座れないイスなの?」
「はい、その通りですわ」
「じゃあ、あっちのイスは?」
アディは玉座の横にある、もう1つの椅子を指差した。
「こちらは王妃アイリ様、アディ様のママの椅子ですわ」
「エメラお姉ちゃんはイスに座れないの?」
「そうですわね。この椅子は王様と王妃様専用ですのよ」
「ふーん。ならボク、大きくなったら王様になる!!」
ここまでなら、無邪気な幼児の何気ない発言だと笑って終わるところだ。だがエメラは、その言葉にどこか期待をしている自分の心に気付き始めた。
そして幼児でも聡明なアディは、王になって結婚しないと並んで玉座に座れないと理解した。
「ボク、大きくなったらマジュウ王になって、エメラお姉ちゃんをメトるね! そしたら一緒にイスに座れるよ!」
「まぁ、アディ様ったら……はい、楽しみですわ」
将来、アディと並んでこの椅子に座る姿を想像したエメラであった。
悪夢は見なくなったが、エメラはその日、過去の夢を見た。
それは、まだアディが見た目3歳くらいの頃の記憶。
この頃のエメラは、今と見た目はほとんど変わらない。
「エメラお姉ちゃん、ボク、このイスに座りたい!! ボクの席にしていい?」
「ごめんなさい。これは魔獣王ディア様、アディ様のパパの椅子ですのよ」
魔獣界の玉座の間にてアディは、その煌びやかな魔獣王の玉座に座りたそうにしている。
ディアに似てイケメン男児なアディを、エメラはすでに溺愛していた。
同じ希少種の魔獣『バードッグ』であり、さらにディアの遺伝子を受け継ぐアディに心を奪われるのは当然であり運命。
アディは、キラキラした金の瞳をいっぱいに開いてエメラを見上げる。
「王様しか座れないイスなの?」
「はい、その通りですわ」
「じゃあ、あっちのイスは?」
アディは玉座の横にある、もう1つの椅子を指差した。
「こちらは王妃アイリ様、アディ様のママの椅子ですわ」
「エメラお姉ちゃんはイスに座れないの?」
「そうですわね。この椅子は王様と王妃様専用ですのよ」
「ふーん。ならボク、大きくなったら王様になる!!」
ここまでなら、無邪気な幼児の何気ない発言だと笑って終わるところだ。だがエメラは、その言葉にどこか期待をしている自分の心に気付き始めた。
そして幼児でも聡明なアディは、王になって結婚しないと並んで玉座に座れないと理解した。
「ボク、大きくなったらマジュウ王になって、エメラお姉ちゃんをメトるね! そしたら一緒にイスに座れるよ!」
「まぁ、アディ様ったら……はい、楽しみですわ」
将来、アディと並んでこの椅子に座る姿を想像したエメラであった。



