森の中は木々が密集していて狭いため、エメラは地面に降り立つと同時に人の姿に変身した。
エメラを追って来たクルスも同じように人の姿に変身する。
「エメラ様、やはり体調が悪いのですか? お城へ引き返しますか?」
「いいえ、大丈夫ですわ。少しだけ休ませて下さい……」
エメラは紅潮した顔で無理して微笑むと、太い木の根元にもたれかかって座り込んでしまった。
(身体が熱い……どうしたら……アディ様……)
休む事は逆効果だと分かっているのに、身体が思うように機能しない。
時間が経てば禁断症状のようにアディを求める身体が限界まで熱くなる。
するとクルスが膝を折って座り、木の根元に座るエメラと目線を合わせる。そして、そっと片手を伸ばしてきた。
「エメラ様、すみません。ちょっと失礼します」
クルスは手の平をエメラの額に当てて目を閉じると、うーんと考え込む。
「熱いですね。やっぱり熱ありますよ」
「こ、これは、その……違いますわ」
クルスに魅了だと気付かれたくないし、病的な熱でもないと否定したいが上手く説明できない。
そのエメラの返事を聞いたクルスは何を思ったのか、急に真剣な眼差しでエメラを捉える。
「……なるほど。では、そういう意味だと受け取っていいのですね」
「……はい?」
クルスがどういう意味で受け取ったのか、エメラは全く意味が分からない。
「嬉しいですよ。わざわざ二人きりになれる場所に誘って下さるなんて」
(え? 何をおっしゃってますの!?)
頬を赤らめ、息を荒くしているエメラはクルスを誘っているように見えても仕方ない。それにしても、その解釈は都合が良すぎる。
「魅了を使うまでもなかったですね。任務中に森の中で愛の密会……ふふ、さすがです。最高の背徳感ですね」
(く、狂ってますわ……!)
狂愛という意味では、魅了をかけたままで任務に行かせるアディといい勝負だが、クルスの発言はいつも意味深なのも気になる。
その言い方だと、アディが魅了の魔法を使った事に気付いていた上での、当てつけの発言にも聞こえる。
エメラを追って来たクルスも同じように人の姿に変身する。
「エメラ様、やはり体調が悪いのですか? お城へ引き返しますか?」
「いいえ、大丈夫ですわ。少しだけ休ませて下さい……」
エメラは紅潮した顔で無理して微笑むと、太い木の根元にもたれかかって座り込んでしまった。
(身体が熱い……どうしたら……アディ様……)
休む事は逆効果だと分かっているのに、身体が思うように機能しない。
時間が経てば禁断症状のようにアディを求める身体が限界まで熱くなる。
するとクルスが膝を折って座り、木の根元に座るエメラと目線を合わせる。そして、そっと片手を伸ばしてきた。
「エメラ様、すみません。ちょっと失礼します」
クルスは手の平をエメラの額に当てて目を閉じると、うーんと考え込む。
「熱いですね。やっぱり熱ありますよ」
「こ、これは、その……違いますわ」
クルスに魅了だと気付かれたくないし、病的な熱でもないと否定したいが上手く説明できない。
そのエメラの返事を聞いたクルスは何を思ったのか、急に真剣な眼差しでエメラを捉える。
「……なるほど。では、そういう意味だと受け取っていいのですね」
「……はい?」
クルスがどういう意味で受け取ったのか、エメラは全く意味が分からない。
「嬉しいですよ。わざわざ二人きりになれる場所に誘って下さるなんて」
(え? 何をおっしゃってますの!?)
頬を赤らめ、息を荒くしているエメラはクルスを誘っているように見えても仕方ない。それにしても、その解釈は都合が良すぎる。
「魅了を使うまでもなかったですね。任務中に森の中で愛の密会……ふふ、さすがです。最高の背徳感ですね」
(く、狂ってますわ……!)
狂愛という意味では、魅了をかけたままで任務に行かせるアディといい勝負だが、クルスの発言はいつも意味深なのも気になる。
その言い方だと、アディが魅了の魔法を使った事に気付いていた上での、当てつけの発言にも聞こえる。



