こうなったら、エメラも多少わざとらしく対抗するしかない。
「わたくしとアディ様は熱愛ですのよ! それはもう……最高にラブラブなのですわ!」
ここに来て、なぜかエメラは語彙力を失った。しかしクルスは冷静さを失わない。
「はい。そんなラブラブなお二人を支えたいと思い、側近を志願しました」
エメラに語彙力を合わせた上に、見事に面接の答えとして完結させた。クルスという青年は大胆不敵なだけあって、ただ者ではない。
そしてアディはと言えば当然ながら、エメラのラブラブ発言にデレデレになっている。
「ふふ……エメ姉ってば嬉しい事を言うよね。じゃあ、クルスくんに決まりでいいね」
「え!?」
エメラが思わず声を上げるが、クルスからもエメラからも良い気分にさせられたアディに迷いはない。あっさりとクルスを新しい側近に決めてしまった。
それに慌てて物申すのはエメラだ。
「ですが、アディ様! その、クルスさんは男性ですわよ?」
「え? だからいいんだよ。だって女性を側近にしたらエメ姉が嫉妬するでしょ?」
(それは逆ですわ!)
その通り、逆は考えなかったのだろうか。エメラを狙うような命知らずの男など現れる訳がないと思っているのだろうか。
しかし現にクルスは追ってきたのだ。求婚を断った相手に、こうして執念深く。
「クルスくんは僕と年齢も近いし同種族だし、仲良くなれると思うんだよね」
「は、はぁ……そうでしょうか……」
恋敵どうしが仲良くなるのだろうか。余裕なのか天然なのか、なんとも危機感のない王子である。
「じゃあ、クルスくん。君を採用する。明日から側近として一緒に働いてもらうよ」
「はい! ありがとうございます!」
クルスは嬉しそうな笑顔で深く礼をした。
現状はアディの側近はエメラ一人だが、そこに新たな側近としてクルスを加える事になった。つまり側近二人体制である。
しかし、これが複雑な三角関係の始まりでもあった。
「わたくしとアディ様は熱愛ですのよ! それはもう……最高にラブラブなのですわ!」
ここに来て、なぜかエメラは語彙力を失った。しかしクルスは冷静さを失わない。
「はい。そんなラブラブなお二人を支えたいと思い、側近を志願しました」
エメラに語彙力を合わせた上に、見事に面接の答えとして完結させた。クルスという青年は大胆不敵なだけあって、ただ者ではない。
そしてアディはと言えば当然ながら、エメラのラブラブ発言にデレデレになっている。
「ふふ……エメ姉ってば嬉しい事を言うよね。じゃあ、クルスくんに決まりでいいね」
「え!?」
エメラが思わず声を上げるが、クルスからもエメラからも良い気分にさせられたアディに迷いはない。あっさりとクルスを新しい側近に決めてしまった。
それに慌てて物申すのはエメラだ。
「ですが、アディ様! その、クルスさんは男性ですわよ?」
「え? だからいいんだよ。だって女性を側近にしたらエメ姉が嫉妬するでしょ?」
(それは逆ですわ!)
その通り、逆は考えなかったのだろうか。エメラを狙うような命知らずの男など現れる訳がないと思っているのだろうか。
しかし現にクルスは追ってきたのだ。求婚を断った相手に、こうして執念深く。
「クルスくんは僕と年齢も近いし同種族だし、仲良くなれると思うんだよね」
「は、はぁ……そうでしょうか……」
恋敵どうしが仲良くなるのだろうか。余裕なのか天然なのか、なんとも危機感のない王子である。
「じゃあ、クルスくん。君を採用する。明日から側近として一緒に働いてもらうよ」
「はい! ありがとうございます!」
クルスは嬉しそうな笑顔で深く礼をした。
現状はアディの側近はエメラ一人だが、そこに新たな側近としてクルスを加える事になった。つまり側近二人体制である。
しかし、これが複雑な三角関係の始まりでもあった。



