エメラを見た青年は驚きに声を上げる。
「あ……! あなたは……」
しかしエメラは魔獣の姿では言葉が話せない。
すると魔獣のエメラの全身が発光し収縮していく。光が収まると、そこには人の姿に変身したエメラが立っていた。
青年はエメラに対して、まず頭を下げた。
「あ、あの。ありがとうございます」
「お怪我は大丈夫ですの? この辺の森を一人で歩くのは危険ですわよ」
エメラは青年に近付き、顔色や全身を見て確認する。怪我の程度は軽いようだ。
その青年はアディと同じくらいの年齢に見える。エメラと同じ深緑の髪と金の瞳を持つところから、同種族の魔獣『バードッグ』だと分かる。
しかし、それならば疑問に思う事がある。
「なぜ魔獣の姿に戻りませんでしたの?」
最強の魔獣であるバードッグの姿に戻れば、密猟者には簡単に勝てたはずだ。だが、その質問をしたエメラ自身が勘付いた。……彼の目的を。
青年は密猟者に追われた上に負傷したというのに嬉しそうに微笑んでいる。
「僕はクルスと申します。ずっと、あなたに会いたかった……エメラ様」
エメラは魔獣界を治める女王的な存在なので、顔も名前も知られている。
青年は、わざと自身の身を危険に晒したのだ。そうすれば魔獣界を守るエメラが来てくれると思ったから。
そこまでしてエメラに会いたい理由は1つ。それは、何百年も前にエメラ自身も同じようにして魔獣王ディアに伝えた気持ちと同じ。
「エメラ様。僕と結婚して下さい」
「あ……! あなたは……」
しかしエメラは魔獣の姿では言葉が話せない。
すると魔獣のエメラの全身が発光し収縮していく。光が収まると、そこには人の姿に変身したエメラが立っていた。
青年はエメラに対して、まず頭を下げた。
「あ、あの。ありがとうございます」
「お怪我は大丈夫ですの? この辺の森を一人で歩くのは危険ですわよ」
エメラは青年に近付き、顔色や全身を見て確認する。怪我の程度は軽いようだ。
その青年はアディと同じくらいの年齢に見える。エメラと同じ深緑の髪と金の瞳を持つところから、同種族の魔獣『バードッグ』だと分かる。
しかし、それならば疑問に思う事がある。
「なぜ魔獣の姿に戻りませんでしたの?」
最強の魔獣であるバードッグの姿に戻れば、密猟者には簡単に勝てたはずだ。だが、その質問をしたエメラ自身が勘付いた。……彼の目的を。
青年は密猟者に追われた上に負傷したというのに嬉しそうに微笑んでいる。
「僕はクルスと申します。ずっと、あなたに会いたかった……エメラ様」
エメラは魔獣界を治める女王的な存在なので、顔も名前も知られている。
青年は、わざと自身の身を危険に晒したのだ。そうすれば魔獣界を守るエメラが来てくれると思ったから。
そこまでしてエメラに会いたい理由は1つ。それは、何百年も前にエメラ自身も同じようにして魔獣王ディアに伝えた気持ちと同じ。
「エメラ様。僕と結婚して下さい」



