「そうじゃのう。棺桶に半分足を突っ込んでると、あっちもこっちも痛くて仕方ないよ」

「じゃあ、肩叩きするよ」

「おお、それは嬉しいねえ」

祖父の肩を叩きながら、ある失敗に気付いた。

年金支給日は偶数月なのに、今は七月下旬。

いくら孫に甘い祖父でも、無い袖は振れないかもしれない。