ドン、

土の塀に飛び込むような音がした。
砂煙が立っていて、どっちが飛んでいったのか分からない。
慌てて草兎くんが布を投げて砂煙に向かって走る。

鞠弥さんが居る以上、私はどちらにしろ力を使えない。
どうして、、私は役に立ちたいのに、お師匠と鞠弥さんは昔から私を止める。
すると、砂煙が収まってきた。

「久しぶりですね、春日さん」

「ぐあ、、」

「そ、草兎くん!?」

煙の中から右肩を暗魅に刺される草兎くんが居た。
私は鞠弥さんを押しのけて草兎くんのもとに走った。
私のせい、こんなことになったのに力になれない、足手まといだけは嫌だ。
再び釈杖に力を込めた。

「夕露ちゃん!!」

「懲りない娘だ、、死になさい」

草兎くんを助けるのに必死で、
背を男に取られた。
後ろから襲い掛かる刃。
、、駄目だ。間に合わない!

「お前の相手はこっちだろう??」

その時、私を庇う阿修羅の姿が目に浮かんだ。
男は目を見開き、クスっと微笑んだ。

再び戦いが始まる。
何故、彼は私を庇うのだろう?
草兎くんを抱えて鞠弥さんのもとへ歩いた。

「夕露ちゃん、今使うんだ」

「は、はい!」

鞠弥さんは真面目な瞳をして言った。