時は江戸時代。
徳川幕府によって作られた政治の日本界。
庶民たちが一番にぎやかで元気な時代。
そこで何を手にする?
そこで何に出会う?‥

「「修羅を消して何が出来る?阿修羅様はお怒るばかり。皆は争いを忘れたの?」」

日差しの強い昼間、人々で賑わう市場。
幼い少女が声を揃えて、市場の中を通り過ぎていく。
まるで呪文。少女たちは目を離すと居なくなっていた。

こんな時代だからこそ毎日、死と隣り合わせ。
慌てて市場を走り抜いた。
あの少女たちの詩、こんなので動揺している。
俺の鬼が‥

ピチャ、

「鬼‥?」

川の方まで走ってきた。
誰も居ない、顔を隠す布を取り、頭を冷やした。

すると、
変わった外見をしている俺を見て、近付いてきた女が居た。
誰もが鬼と呼ぶ、赤い眼差し。
俺はそっと腰に手を回す。

「誰だ‥?」

「そっちこそ!貴方、何者よ!!」

女は気が強く一歩も引く気がない。
すると、女は釈杖を出して俺に向ける。
威嚇しているようにみえるが、全く意味がない。
俺はスッと鞘から刃を抜いた。

「早く消えろ、あんたに付き合ってる暇はない」

刃を向けた瞬間、肺から込み上げてくる感覚がした。