私に恋を教えてくれませんか?

○カラオケ

蒼「俺の歌姫になってくれ」
結菜モノ(ななな、何言ってるの……!?)
蒼「付き合ってた時も思ったけど、俺好きだな」
結菜「すすすすす……好き!?」
蒼「結菜の歌」
結菜「は、え……!?」
結菜モノ(う、歌か……びっくりしたぁ)
蒼「俺、事務所に顔で売り出されて、ファンも音楽より顔を目当てにする子が多くて」
蒼「しかも王子みたいな格好をさせられるし……チッ」
結菜「もしかして、だからピアスいっぱい開けたの!?」
蒼「……」即バレて気まずげに、ツンとする表情
結菜モノ(きっと、そうなんだな……)
蒼「俺は音楽で勝負したい」
蒼「だから顔出ししないで、SNSで曲を発表しようと思うんだ」
結菜「わあっ、すごい! 応援してる!」笑顔

舞い上がる結菜の手首を再度がしっと掴む。
蒼「そこで結菜だ」
結菜「へ?」
蒼「俺の作った曲、結菜が歌って」
結菜「えええええ!?」
結菜「な、なんで……蒼くん歌わないの……?」
蒼「いや多分声バレするし」
結菜「私なんて素人だから無理だよぉ!」
蒼「大丈夫。俺が保証するし……」
蒼「――あの時、本当は別れたくなかった」真剣
蒼「こっちの都合で結菜を途中で投げ出したの、ずっと後悔してた」
蒼「歌ってくれるなら、俺が――今度こそ、ちゃんと恋を教えてあげる」
結菜「なっ、私が彼氏いるとか考えないの!?」
蒼「そうじゃなきゃあんな場所に行かないだろ」
結菜「うっ」
蒼「やってくれるよな」圧強め
結菜モノ(これってまた付き合うっていうこと!?)
結菜モノ(私は、ずっと蒼くんのことが忘れられなかった)
結菜モノ(恋の勉強が行き詰まりなのも事実だし……)
結菜「お、お願いシマス……」


○翌朝・駅から大学までの道を歩いてる

華恋「結菜、昨日は危ない目に合わせて本っ当にごめん!」
結菜「大丈夫。それより、瑞稀くんとどうだった?」
華恋「連絡先交換したの〜!!」
結菜「キャー!! おめでとう!! それであの後どこ行ったの? 今好きの気持ちはどのくらい!?」取材モードに入る結菜
華恋「もう、結菜ってば……」
瑞稀「華恋ちゃん……!? あれ、結菜ちゃんも……」

振り返るとそこには、蒼と瑞稀がいた。
瑞稀「え!? 二人とも青桜大(せいおうだい)!?」
華恋「そうですけど、もしかして……」
瑞稀「俺たちも青桜だよ〜! イエイ」ピース
瑞稀「つっても俺は二年だけど」
瑞稀が蒼に肩組んで、蒼に避けられる。
結菜と華恋は文学部で、蒼と瑞稀は経済学部。
瑞稀「今日皆何限まで? 終わったらうちのサークルの新歓に来ない?」
華恋「行きます♡」
今まで目を丸くしてた結菜が叫ぶ
結菜モノ(え、ええええええ……っ!?)


○講義終わり・映像研究部

部室にスクリーンが設置してあり、映像を見る用に椅子が何個か置いてある。
結菜・華恋・蒼を歓迎する瑞稀。
瑞稀「ようこそ、映像研究部へ!」
瑞稀「うちは、皆がそれぞれ自由に作品をつくる、ゆる〜いサークルだよ」
瑞稀「部員は30人くらい。個人でSNS動画を撮ってる人もいれば、グループで映画を撮ってる人もいる」
瑞稀「集まるのも、月に一回ミーティングと、年間行事に集まるくらいだから、兼サーもOK!」
瑞稀「初心者向けの勉強会もあるし、未経験の人も大歓迎だよ」
瑞稀「春は新歓、夏は海で合宿、秋は学祭、冬はサークルの上映会……」

瑞稀にメロメロでうっとり話を聞く華恋。その一歩後ろに結菜と蒼がいる。
瑞稀が色々と説明する中、隣にいる蒼がいつも通りでドキドキしながらぐるぐる考える結菜。
結菜モノ(わ、私たち……一応付き合ってるんだよね?)
結菜モノ(でも高校の時のやり直しで)
結菜モノ(蒼くんは私のこと好きな訳じゃないし……)
瑞稀「じゃあ、過去作を上映していくよ」

皆席に着く。
室内が暗くなり、スクリーンに映像が上映される。
隣に座る蒼に肘を突かれ彼を見ると、その瞬間手を引っ張られ、カップル繋ぎをする。
それにびっくりする結菜。
蒼「……ドキドキした?」小声で悪戯っぽく囁く
結菜はぼんっと赤くなる。
結菜モノ(全然映像が頭に入ってこないよぉ……)


○上映が終わり、部室内にて

結菜モノ(上映中ずっと手を繋いでて心臓が……っ)
華恋「結菜〜! 私、ここに入る! 結菜は?」
結菜「うーん、考え中。そもそもサークル入るかどうかも悩んでたし」
結菜モノ(執筆もあるし、音楽(?)もやるかもだし……?)
結菜モノ(蒼くんはどうするんだろう?)

悩む結菜をバックハグする蒼。
蒼「ダメ。結菜は俺と映研に入って」甘え
結菜「ひえっ」
ギョッとする華恋と瑞稀。
結菜「あ、蒼くんは、ここ入るの?」
蒼「うん。機材タダで使えるし、俺の曲のPVは瑞稀が編集してくれるから」
蒼「俺の曲、歌ってくれるんでしょ?」小声
結菜モノ(蒼くんと一緒のサークル……)
結菜モノ(すごく小説の参考になりそう!)
結菜「うん。私も入部する!」
華恋「やった〜!」
華恋が嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。
瑞稀「……でさ、結菜ちゃんと蒼って、あれから付き合ったの?」
蒼「ああ。結菜は俺のだから、手出したら許さない」バックハグしながら肩に顎のせる
結菜「っ!?」赤面
結菜モノ(大学生活1日目に彼氏ができて、2日目にはサークル入部――)
結菜モノ(正直、波乱の連続だけど……)
結菜モノ(執筆も、恋の勉強も、サークル活動も……頑張りますっっ!)