「いえいえ。。菜乃花ちゃんとはそれからたまに喋ることがありまして、僕の住んでいるところを聞かれたから、ついアパート名を言ってしまっただけです」
本当に怪しい者ではないので。と自分が怪しまれているのを悟ってか必死に弁明する男性
聞くに、本当に怪しい人ではなさそうだ

「そうなんですね。娘と遊んでいただいていたようで、有難うございます」
私はそれなら返って世話になっていたのではないか?と気付き、お礼を言った

あっ、いえ、僕は別に何もしていません。そう言うと男性は自分の終わった洗濯物をランドリーバスケットに入れてそそくさと帰ってしまった
そんな急いで帰らなくても。と言いたいくらいだったが、あまり人と接するのは苦手なんだなと思い、取り留めて気にしないようにした

「瀬野君はちょっと照れ屋なの」
菜乃花はやれやれと言って相変わらずのおしゃまぶりだ
「菜乃花、あんまり他の人に迷惑かけちゃだめだよ」
私は菜乃花が私の知らない人と友達になっていた事が少しショックだった
菜乃花ははーい。と言って少し口を尖らせている

私は慣れないコインランドリーでの洗濯を終え、菜乃花と手を繋いで帰り道を歩いた