合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 招待客を絞り込んだ披露パーティはお互いの親族、友人、職場関係者を絞り込み、結果三十人ほどの規模となった。

(今はこのくらいコンパクトな披露宴も増えてるから、ちょうどいいシミュレーションができたな。あまり派手なのが好きじゃないカップルには選んでもらいやすいプランになる)

 この結婚式のコンセプトは〝笑顔あふれるカクテルパーティ〟。裏テーマは物より思い出だ。

 仰々しいことはせず自然体に。派手なオブジェや高砂は無く、新郎新婦は招待客と同じ目線で料理を楽しむ。お色直しもなく新婦はウエディングドレスのままだ。

 嘘の結婚式を大げさにしたくないし、目に見える形の思い出をあまり残したくないというネガティブな考えが出発点だった。結果それが招待客との時間を大切にしたいという発想に繋がった。

 土谷がしたような派手な披露宴もインパクトがあっていい。でも、いざ自分が主役になると考えたとき、気が引けてしまうと気づいた。
 それより、お祝いに集まってくれた人たちにリラックスした空間で感謝の気持ちを伝え、ゆっくり話をする時間が持てるのがいいのではと考えたのだ。