「鈴菜さん、なんだか元気が無いみたいだけど大丈夫ですか?」
同僚の小宮山璃子が心配そうな顔でこちらを見ている。
ボブスタイルが似合う美人の彼女は二十九歳の鈴菜より四歳年下のウェディングプランナーで新人の頃から鈴菜が指導してきた後輩だ。
「せっかくの豪華な料理も全然手を付けてないじゃないですか。もしかして体調悪いとか」
小声で言われて鈴菜は慌てて首を振った。
「だ、大丈夫よ。真剣に会場の中をチェックしすぎちゃってただけ」
「ゲスト側で結婚式に出席する機会は貴重ですもんね。それにしても、〝オーロラウェディング〟でしたっけ。会場の色使いや雰囲気いいですよね。こういう、ふんわりしたパステルグラデーションは新婦さん好みそうですし。外にあった大きなフラワーウォールは生花のバラで作っててものすごく素敵でした。あれ、かなりお金かかってますよね……まあ、お相手が専務の娘さんならいくらでもかけられるか」
「そ、そうね」
いっそう声をひそめる璃子に鈴菜はぎこちない笑みを返す。
同僚の小宮山璃子が心配そうな顔でこちらを見ている。
ボブスタイルが似合う美人の彼女は二十九歳の鈴菜より四歳年下のウェディングプランナーで新人の頃から鈴菜が指導してきた後輩だ。
「せっかくの豪華な料理も全然手を付けてないじゃないですか。もしかして体調悪いとか」
小声で言われて鈴菜は慌てて首を振った。
「だ、大丈夫よ。真剣に会場の中をチェックしすぎちゃってただけ」
「ゲスト側で結婚式に出席する機会は貴重ですもんね。それにしても、〝オーロラウェディング〟でしたっけ。会場の色使いや雰囲気いいですよね。こういう、ふんわりしたパステルグラデーションは新婦さん好みそうですし。外にあった大きなフラワーウォールは生花のバラで作っててものすごく素敵でした。あれ、かなりお金かかってますよね……まあ、お相手が専務の娘さんならいくらでもかけられるか」
「そ、そうね」
いっそう声をひそめる璃子に鈴菜はぎこちない笑みを返す。



