合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

「鈴菜さんの結婚式のプランナーを任せていただけるなんて本当に嬉しいです。がんばりますね」

 璃子はボブヘヤを揺らしながら胸の前で両手をグッと握った。

「うん、よろしくね」

 興奮気味の璃子に押されつつ、鈴菜は顔に必死に笑顔を保った。

 結婚式の挙行を決心したのが十二月頭、日取りは支配人が押さえてくれた二月三週目の土曜日になった。時間がない中、悠磨と相談を重ねながら鈴菜は式に向けてやるべきことをこなしていった。

 調整事項は馴れ初めの設定や、プロポーズのエピソード、知っていなければ不自然なお互いの情報や呼称など多岐にわたった。

 大学病院の勤務医である悠磨は多忙で頻繁に会えるわけではなかったので、オンラインやチャットなども大いに活用した。

 自分の結婚式なのに、淡々と進んでいく状況はなんだか仕事をしているような気になってくる。しかし、ひとつひとつを迷わず判断していく悠磨はとても頼もしかった。

 山梨に住む両親への挨拶のときも彼はとても落ち着いていた。

『突然のご挨拶で申し訳ありません。鈴菜さんとお付き合いさせていただいております』