合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 殺風景だったこの部屋にもすっかり物が増えた。観葉植物や花瓶の花は鈴菜が小まめに世話をしているし、今日は壁にかかった大型テレビでふたりで配信映画を見る約束をしている。

 リビングボードの上にはシンプルな木製のフォトフレームが飾ってあり、中には結婚式の写真が納まっている。

 ウエディングドレスとタキシード姿で寄り添うふたりは幸せそうに笑っている。まるで自分たちか本当に愛し合う夫婦になると知っているかのように。

「さあ、朝食にしようか」

 悠磨は目を細め、愛しい妻の髪に唇を寄せた。


END