合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 続きを誤魔化そうとテーブルの上に視線を逃したが、顎にかかった悠磨の指によって彼の方に戻される。

「俺のことがなんだって?」

 わかっているはずなのに楽しそうに追及してくるなんて意地悪だ。でも期待の籠もった瞳で見つめられたら黙ってはいられない。

「……悠磨さんのこと、好きだったんだと思います」

 すでにお互いの想いは通じているものの、改めて口にするのは恥ずかしい。きっと自分の頬は赤く染まっているだろう。

 悠磨は蕩けるように微笑んで指先を鈴菜の頬に移動させた。

「俺も今日の君を見て……惚れ直した」

 愛しげに細められる瞳には普段とは違う熱が浮かんでいる。明らかに色を帯びたふたりの間の空気に鈴菜の鼓動が速くなる。

「そっ、そういえば式のあとに藤田様ご夫妻からこれまでのお礼にってプレゼントをいただいたんです。すてきなペアのマグカップなんですけど、見ますか?」

 悠磨の色気とこの場の雰囲気に耐えられなくなった鈴菜は、わざとらしい早口で腰を浮かせたのだが、すぐに制止される。

「後でもいいか」

 やさしく手首を掴まれ、元の位置に戻される。

「……はい」

 悠磨は鈴菜の上半身を抱き寄せた。