合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 その言葉に招待客の女性たちが一斉に落胆の表情を浮かべたのは気のせいだろうか。心の中で苦笑していると、悠磨の視線がスッとこちらを捉えた。

「愛する人に出会えた奇跡と、共に生きる幸せに日々感謝しています――本当に結婚してよかった」

 柔らかい笑みを向けられ、鈴菜の心臓はギュンと締め上げられる。

「新郎新婦も幸せなご家庭を築いていくことでしょう。家族ぐるみの付き合いができたらいいですね」

 悠磨はそう続けスピーチは拍手の中終了したが、鈴菜の頬はしばらく熱いままだった。

 
 長い一日を終え、自宅に帰りつくと悠磨が待っていた。

「これ、頼んでおいてくれたんですか?」

 ダイニングテーブルにはデリバリーしたと思われるオードブルや中華料理が所狭しと並んでいた。

「冷蔵庫の中にはデザートも入っている。加減が分からなくて頼みすぎてしまった」

 少しバツが悪そうな悠磨。きっと鈴菜が疲れていると思って準備してくれたのだろう。

「ありがとうございます。今日は本当に疲れたし、お腹も空いているのですごく嬉しいです」

「ああ、がんばっていたな」