合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 指輪を装着したリングピローをカゴに入れ挙式会場に届けた鈴菜は璃子とバトンタッチするためにブライズルームに向かう。速足で歩いている途中、ウェイティングスペースに立つ悠磨と視線が交わった。

(悠磨さん、ありがとうございました。指輪無事見つかりました)

 心の中でお礼を言いながら微笑む。悠磨もうなずき笑顔を返してくれた。

 挙式はつつがなく執り行われ、指輪も新郎新婦の指に無事に収まった。お互いの手元を見て幸せそうに笑うふたりの姿に鈴菜は心から安堵した。

 披露宴は和やかに進み、瑞穂の祖母も孫の晴れ姿に感動したのか時折ハンカチで目頭を押さえていた。

「――ただいまご紹介に預かりました望月悠磨です。仁さん、瑞穂さんならびに両家の皆様、本日は誠におめでとうございます」

 式の後半、新郎側の友人としてスピーチに立ったのは悠磨だ。一切メモなどを見ずに堂々と話す姿はさすがだ。学生時代のエピソードをユーモアを交えながら話す様子を鈴菜は会場の端で見守った。

「それと、私事ですが僕も今年結婚しまして」