一生懸命やってきたつもりでいたけれど、ミスを犯した現実は変えられない。土谷の言うようにどこかで慢心していたのかもしれない。
絶望に覆いつくされ、目の前が真っ暗になったときだった。背中に大きな掌が添えられた感覚がした。
「君はプロだろう? こういうときこそ、冷静になれ」
鈴菜に寄りそうように立ったのはブラックスーツ姿の悠磨だった。
「……悠磨さん」
「もう一度状況を客観的に整理してみろ」
低く落ち着いた声が鈴菜の焦る心にスッと入り込んだ。
(そうだ、今は自分のミスを悔やんでる場合じゃない、冷静にならなきゃ)
背中に悠磨の掌の温かさを感じながら、鈴菜は一度息をついて改めて経緯を思い返した。
「はい……今朝九時頃に会場に入られた藤田様からリングケースを受け取りました。どこにも立ち寄らず、その足で保管庫の金庫に入れ、しっかり鍵も掛けました」
「外部から侵入して盗まれる可能性は?」
「ありえません。バックヤードにスタッフ以外の人間が入ったら目立ちますし、そもそも金庫の番号は支配人とプランナーしか知らないので」
「本当はしまってなくて、どこかに落としでもしたんじゃないか」
絶望に覆いつくされ、目の前が真っ暗になったときだった。背中に大きな掌が添えられた感覚がした。
「君はプロだろう? こういうときこそ、冷静になれ」
鈴菜に寄りそうように立ったのはブラックスーツ姿の悠磨だった。
「……悠磨さん」
「もう一度状況を客観的に整理してみろ」
低く落ち着いた声が鈴菜の焦る心にスッと入り込んだ。
(そうだ、今は自分のミスを悔やんでる場合じゃない、冷静にならなきゃ)
背中に悠磨の掌の温かさを感じながら、鈴菜は一度息をついて改めて経緯を思い返した。
「はい……今朝九時頃に会場に入られた藤田様からリングケースを受け取りました。どこにも立ち寄らず、その足で保管庫の金庫に入れ、しっかり鍵も掛けました」
「外部から侵入して盗まれる可能性は?」
「ありえません。バックヤードにスタッフ以外の人間が入ったら目立ちますし、そもそも金庫の番号は支配人とプランナーしか知らないので」
「本当はしまってなくて、どこかに落としでもしたんじゃないか」



