合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

「俺は今まで仕事以外興味を持たずに生きてきた。でも、君だけは違う。いつのまにか君と一緒にいる時間に幸せを感じるようになっていた。君のためならなんでもしたいし、笑っていてほしい。それが愛してるということじゃないのか」

 吸い込まれそうなくらいに真剣な瞳から目がそらせない。

「……それなら、私も同じです」

 トクトクと動きを早くする心臓の音に鼓舞されるように鈴菜は口を開く。

「私も悠磨さんのためになんでもしたい。元気でいてほしいし、仕事もがんばってもらいたいし……私に笑顔を向けてほしい」

 ずっと行き場を探していた恋心が、とうとう言葉になって溢れた。

「私も悠磨さんが好き。愛しています」

「鈴菜」

 名前を呼ばれると同時に腕を強く引かれ、鈴菜は悠磨に強く抱きしめられた。この上なく安心する逞しい胸に頬を寄せていると、鼓動の音に混じって彼の声が聞こえた。

「好きにならないという最初の約束、破っていいだろうか。もう俺は君を手放せない」

「私も守れなかったんだからお互い様です。ずっと一緒にいさせてください」

 鈴菜は笑って愛しい人を見上げた。いつのまにか込み上げていた涙が頬を伝う。