合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 今月はジューンブライドなので、式や披露宴自体も多いが秋に向けての打ち合わせも増えている。
 担当を多く抱えている鈴菜は目の回る忙しさだ。早朝出勤や残業が続いていて、健康が自慢の鈴菜も疲労が溜まっていた。

 家では疲れを見せないようにふるまっているものの、悠磨にはすぐに見抜かれ『食事の準備はいらないから少し休め』と言われてしまった。彼に働きすぎを心配されるときがくるなんて思わなかった。

 しかし鈴菜は朝食はもちろん、どんなに帰りが遅くなっても夕食は作るし、弁当作りも欠かさない。

(疲れているのは言い訳にならない。家のことも仕事もちゃんとしなきゃ)

「お客様にとっては一生に一度の結婚式でミスなんてぜったいあっちゃいけないのにね。取り急ぎ他の発注も内容に間違いがないか、ぜんぶ遡ってチェックしてみる」

「それなら私もお手伝いします」

「ありがとう。でも大丈夫よ。璃子ちゃんだって土谷さんのフォローで忙しいじゃない」