合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

「今さらながらなんだか不思議ですね。旧友の奥さんに結婚式のプランナーをしてもらうなんて」

「はい。素敵なご縁を大事にして、当日は最高の一日になるようにしっかりサポートさせていただきます」

「よろしくお願いします。望月のやつ、本当にいい奥さん貰ったな」

 満足そうにうなずく藤田を前に、胸がチクリと痛む。「ありがとうございます」曖昧に笑ってから鈴菜は話題を変えた。

「そういえば、結婚指輪は出来上がったんですか?」

「えぇ、ちょうど昨日取りに行ってきました」

 一生身に着ける結婚指輪はこだわりたい言ったふたりは、デザインを考え抜いてジュエリーデザイナーにオーダーしていた。

「すごく素敵な仕上がりで。本当はもう付けたいくらいですけど、初めて付けるのはやっぱり指輪の交換のときがいいから今は我慢です」

「そうだね、僕も楽しみだよ」

 顔を綻ばせる瑞穂を藤田は優しい表情で見ている。本当に微笑ましいカップルだ。

「それは拝見するのが楽しみです」

 鈴菜もつられて笑顔になった。