合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 鈴菜は元々世話好きの性格で誰かに頼られることが多かったし、それをよしとして生きてきた。だから直接人の幸せをサポートできるウエディングプランナーという仕事を選んだ。今ではお客様をはじめ、ありがたいことに同僚からも頼りにされている。

 土谷との交際でも一方的に彼を支えるばかりだったし、自分が誰かに頼るイメージがなかった。

 でも〝頼ってほしい〟と言われた今、驚くほど喜んでいる自分がいた。きっとそれは好きな人から差し出された優しさだから。
 鈴菜はとうとう自分の気持ちを受け入れるしかなくなった。

(ああ……私、悠磨さんが好き)

 とんでもない形で始まったふたりの関係。初めはなにを考えているか分からない人だった。結婚し一緒に住むようになってからはとんでもない仕事人間だったと驚く一方、そんな彼を尊敬し少しでも支えたいと思った。
 一方的なお節介だったはずなのにお礼を言われると嬉しくて、笑顔を向けられれば胸を高鳴らせ、抱きしめられれば泣きたくなるほど切なくなった。

(……ごめんなさい、悠磨さん。私、約束を破ってしまいました)