合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 店名にブランドを冠したこのカフェはミシュランの星付きシェフとコラボレーションしているという。テーブルや椅子、テーブルセットにもブランドのアイコンの模様がちりばめられており高級感がありエレガントだ。一方、白を基調とした明るい内装を採用しているので優しい雰囲気もある。

 目にするなにもかもセンスが良くて、一息つきにきたつもりが逆に興奮してしまう。

「気に入った?」

 悠磨は微笑みながらメニューを差し出してきた。

「わざわざ予約しておいてくれたんですね」

 入口で悠磨は名前を告げていたから事前に手続きしてくれていたようだ。

「こういうの、鈴菜が好きそうだと思ったから」

「ありがとうございます。さっきの疲れが吹き飛びそうです」

 受け取ったメニューを開きながら鈴菜は苦笑する。

(悠磨さんが女性を着せ替え人形にして喜ぶ人だとは思わなかった……)