合理主義者な外科医の激情に火がついて、愛し囲われ逃げられない

 忙しそうなのは相変わらずだが、病院に泊まりこまずに帰宅することが増えた。
 夕食もできるかぎり鈴菜と食べようとしているようだ。食後もこれまではすぐに自室に引っ込んでいたのにコーヒーを共にするのが当たり前になりつつある。

 それを様子がおかしいと言ったら失礼かもしれないが、元の悠磨を考えたらすごい変化だ。

 でも、なにより変化を感じるのは彼の表情だった。

(なんかこう、穏やかというか優しいというか……甘いというか)

 得意の外面なのかと思ったがいまさらだし、それとは種類が違う気もする。彼の視線を感じるたび、鈴菜の胸はフワフワと落ち着かなくなる。

 ちらりと横を見ると、悠磨は落ち着いた様子で店員と言葉を交わしている。このラグジュアリーな空間でも彼は自然と馴染んでいた。


 買い物を終え、鈴菜はショップの最上階にあるカフェに誘われた。

「すごい素敵……!」

 テーブルに通された鈴菜は思わずため息をついた。