璃子の声で鈴菜は我に返る。気づくと箸が止まっていた。
「あ、大丈夫、なんだかまったりしちゃって」
笑ってごまかすと、璃子も同調してうなずく。
「今日は予約のお客様もほとんどなくて、平和だから気持ちわかります」
「食べ終わったら裏で外の空気でも吸ってくるね」
鈴菜はミニトマトを口の中に放り込んだ。奥歯で噛むと口の中に強い酸味が広がる。真っ赤な見た目に反して思ったより甘みが少なく感じた。
食後、鈴菜は建物裏にある従業員用出入口から外に出て裏庭に回る。建物の影になったちょっとしたスペースは一般客が立ち入れないエリアにあり、従業員もめったに訪れないが鈴菜の息抜きスポットだ。今はほとんど散ってしまったが、薔薇が何種類か植えられていてベンチに座りながら美しい花が見られる。
五月の空は晴れ渡っていて風も心地いい。大きく伸びをし、息を吸い込む。
(日村さんのことはもう考えない。気持ちを切り替えてしっかり仕事に集中しよう)
脱力し思い切り大きく息を吐いた時、突然人の気配を感じた。
「こんなところでサボりか」
「……土谷さん」
フラリと姿を現したのは土谷だった。
「あ、大丈夫、なんだかまったりしちゃって」
笑ってごまかすと、璃子も同調してうなずく。
「今日は予約のお客様もほとんどなくて、平和だから気持ちわかります」
「食べ終わったら裏で外の空気でも吸ってくるね」
鈴菜はミニトマトを口の中に放り込んだ。奥歯で噛むと口の中に強い酸味が広がる。真っ赤な見た目に反して思ったより甘みが少なく感じた。
食後、鈴菜は建物裏にある従業員用出入口から外に出て裏庭に回る。建物の影になったちょっとしたスペースは一般客が立ち入れないエリアにあり、従業員もめったに訪れないが鈴菜の息抜きスポットだ。今はほとんど散ってしまったが、薔薇が何種類か植えられていてベンチに座りながら美しい花が見られる。
五月の空は晴れ渡っていて風も心地いい。大きく伸びをし、息を吸い込む。
(日村さんのことはもう考えない。気持ちを切り替えてしっかり仕事に集中しよう)
脱力し思い切り大きく息を吐いた時、突然人の気配を感じた。
「こんなところでサボりか」
「……土谷さん」
フラリと姿を現したのは土谷だった。



