望月家は曽祖父から代々医師の家系で、兄の純也と共に悠磨は医師になるべく父や祖父に厳しく教育された。
いつしか兄はそれに反発し大学は経営学部を選んだ。父親は猛反対し、今でもあのふたりの関係は冷えたままだ。悠磨の結婚式でも一度も目も合わせていなかった。
(お互い変な意地を張り続けているだけなんだろうが、困ったものだ)
家庭環境も影響したかもしれないが、悠磨は元々冷めた子どもだった。幼い頃から勉強でもスポーツでも少しがんばれば人よりうまくできてしまう器用さを持っていたが、そのどれにも大した興味を持てなかったし楽しいとも思えなかった。だから父の敷いたレールにあっさり乗ることにした。
『他にやりたいことも無いし、見合う学力もありそうだしいいかな』
高校生のときそう話したら、兄は『本当にお前は冷めてるな』と苦々しい顔をしていた。
しかし、ひとたび応際大学の医学部で学び始めると、悠磨はたちまち医学の世界に魅了された。
人体の構造は非常に複雑で、神秘的ですらある。ここまで文明の進んだ今なお解明されていない病気も多く、しかも個々に症例は違っていて学ぶことは無限にあり興味は尽きなかった。
いつしか兄はそれに反発し大学は経営学部を選んだ。父親は猛反対し、今でもあのふたりの関係は冷えたままだ。悠磨の結婚式でも一度も目も合わせていなかった。
(お互い変な意地を張り続けているだけなんだろうが、困ったものだ)
家庭環境も影響したかもしれないが、悠磨は元々冷めた子どもだった。幼い頃から勉強でもスポーツでも少しがんばれば人よりうまくできてしまう器用さを持っていたが、そのどれにも大した興味を持てなかったし楽しいとも思えなかった。だから父の敷いたレールにあっさり乗ることにした。
『他にやりたいことも無いし、見合う学力もありそうだしいいかな』
高校生のときそう話したら、兄は『本当にお前は冷めてるな』と苦々しい顔をしていた。
しかし、ひとたび応際大学の医学部で学び始めると、悠磨はたちまち医学の世界に魅了された。
人体の構造は非常に複雑で、神秘的ですらある。ここまで文明の進んだ今なお解明されていない病気も多く、しかも個々に症例は違っていて学ぶことは無限にあり興味は尽きなかった。



