だって(仮)だもの。


 自分たちのプロム会場がどうなってしまうのかを心配しているんじゃない。
 本来なら、このプロムの実行係をもって、生徒会の運営は完全に下の学年に移るはずだった。

 ──それなのに、卒業生である私が準備の手伝いをするなんて可哀想。

 そんなふうに思ってくれているに違いない。

 それが分かるからこそ、余計にやる気がでてくる。

(みんなのためにも、絶対にプロムを成功させたい!)

 後輩たちと一瞬に生徒会室へ向かうことにした。

 途中A組の横を通るとき、私の背中に緊張が走った。

(どうか気づかれませんように……)

 後輩たちを引き連れて廊下を急ぐ私──
 どう考えても目立つ絵面。

 見られている気がした。
 でも、確かめることはしない。
 教室の中を覗くことなく、まっすぐ前だけを向いて早足に歩いた。