だって(仮)だもの。


 停電のお陰で、とびきり特別な想い出ができてしまった。

(今日のこと、一生忘れないわ)

 校歌をきっちり3番まで歌い終えると、次期生徒会長がグラウンドの中央に出てきた。

「それでは、いよいよここでプロムキングとプロムクイーンの発表をおこないまーす!」

 事前にアンケートを取っていたのだ。

「プロムキングは……」

 予想はついている。

「生徒会長の寛太郎さんです!」

(やっぱり)

「そして、プロムクイーンは副会長の薫子さん!」

 これも、もしかしたらそういうこともあるかな? と思っていた。
 それでも、緊張する。
 キングとクイーンのふたりは、このあと踊ることになっているから。

(……って、音楽ないのに? 踊れるの?)