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「お疲れさ……」
受付係をしている生徒会の後輩を労おうとしたのに、最後まで言葉を紡げなかった。
クラッチバッグからチケットを出す手が震える。
受付テーブルの傍で寛太郎が立っていることに気がついたからだった。
できるだけ、そっちを見ないようにする。
(何でこんなところに、ひとりで突っ立ってるの? 誰かと待ち合わせ? ……まさか女の子と? だったら見たくない!)
寛太郎はそういうタイプじゃないと思う一方で、寛太郎なら婚約解消を聞かされた翌日には、プロムのパートナーを見つけることだって可能だっただろうとも思った。
(あのとき寛太郎に声をかけてた子とか……)
一刻も早くこの場から離れたいと思った。
そうしてチケットを手渡した手を引っこめようとしたとき、いきなり手首に何かが絡みつく。
リボンテープだ──



