だって(仮)だもの。


 そして、お互いの子どもが同い年だと知ると、婚約(仮)を結ぶことにしたのだった。
 正式に婚約するかどうかを判断するのは、私と寛太郎が成人して高校を卒業する頃がいいだろう、といういうことで。

 それにあたって、お互いを知るために、私たちはマシューズ学園に揃って入学することになった。
 婚約(仮)のことは周囲には内緒にして。
 寛太郎が生徒会長、私が副会長になったのはたまたま、成り行きだ。

 所詮は(仮)付きでしかない婚約。
 だから、簡単に白紙に戻せる。

「お父さんのほうから、寛太郎くんのお父さんに話しておくよ」

(ほら、こんなふうにね)

 その晩、私はベッドの中で少しだけ泣いた。
 私は、寛太郎のことが好きだった──